フッ化物について 【すざく小林歯科、歯科衛生士より】
2021/09/09
ネットでフッ素と検索すると体に悪影響という記事を よく見かけます。フッ素についての正しい知識を身に 付けて、安全に使用すればとても良いものなので、紹介していきます。 フッ素(F2)とは常温では気体で、自然界では単体で存在することはなく 他の元素と結合してフッ化物として存在します。歯科で用いるフッ素も 純粋なフッ素(F2)ではなくフッ化ナトリウム(NaF)と呼ばれる フッ化物です。 例えば、純粋な塩素(CI2)もフッ素と同様、常温では気体で自然界では 塩化ナトリウム(NaCl)などで存在しています。 では塩化ナトリウムとは何か・・・答えは「食塩」です。歯医者で塗る フッ化ナトリウムは、食塩のように身近に存在するものと 考えるとイメージしやすいです。私たちが日常で摂取している飲食物 (お茶、海藻、魚や野菜など)にも、フッ化物は多く含まれています。 なので、フッ化物は食塩と同じように、摂りすぎれば毒に、適量を使えば薬に!というわけです。 |
フッ化物の正しい知識 |
フッ化物の歴史 昔は歯が萌出する前に、体内にフッ化物を摂取することで虫歯を防ぐと考えられていましたが、現在ではフッ化物を体内に取り込む必要はなく、フッ化物が毎日口の中に存在することで虫歯の進行を遅らせる役割を果たすことが明らかになっています。 それにより、フッ化物を使用する対象は小児 からすべての年代へと広がりました。
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フッ化物の役割 ●エナメル質の修復促進・・・酸により溶け出したカルシウムやリン酸を補うこと(再石灰化) を促進します。 ●歯質強化・・・歯の表面を覆うエナメル質を、 酸に溶けにくい性質に変え、虫歯への抵抗力を 高めます。 ●菌の働きを弱める・・・虫歯菌を引き起こす 細菌の働きを弱め、酸が作られるのを抑えます。
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虫歯予防効果の高いフッ化物の組み合わせ 歯磨剤とジェルあるいは洗口剤の比較では、虫歯予防効果に差がありません。 歯磨剤の味が苦手な方は代わりにジェルや洗口剤を使用しても同等の虫歯予防効果が期待できます。(ただし、歯磨剤には研磨剤が入っているので、歯磨剤を使わないと着色の原因にはなります) では、歯磨剤と洗口剤の併用はどうでしょうか?歯磨剤単独よりも洗口剤を併用したほうが 虫歯予防効果が7%程高くなります。それに加え、 3か月に一度歯医者でのフッ素塗布を行うとさらに予防効果が高くなります。 |
使用時の注意点 フッ素配合歯磨剤を使うときは次のことに注意しましょう。 ●効果的に使うための量 年齢によってフッ素配合歯磨剤の使用量の目安は異なります。
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0~2歳 1~3mm程度 3~5歳 5mm程度 6~14歳 1cm程度 |
●歯磨き後のすすぎ
歯磨き後は口をあまりゆすがないほうが、歯磨剤に含まれるフッ化物が洗い流されず口の中に溜まるため、虫歯になりにくいということがわかっています。 一度だけ軽くゆすぐようにしましょう。 多くの実験によってフッ素の安全性は確認されていますが、 歯磨剤は食品ではないので、飲み込まないようにしましょう。 子供の場合はひとりですすぎができるようになってから使用しましょう。 |